初詣に行って来ました。おみくじ引くと凶が出ました。泣きながら別の神社まで3秒で行き、もう一度おみくじを引くと大吉でした。危ないとこだった。3秒ルール。


 見慣れた車が横を通る。おーい、と叫ぶと車が止まり後輩が降りてきた。どうも、どうもと軽く挨拶して何処へ行くんだい?何をしてるんだい?と尋ねてみると「ああ、今追われてるんです」って。ほう、誰に?すると彼は無言で親指を突き出し後方を指す。見ると、酔っ払っているような目つきとフラフラした足取りで、はあはあと息を切らした男が歩いている。手にはナイフを持っており、さながらドラッグジャンキーの様相を呈していた。あれ、やばいんじゃないの?と聞くと、ええ。やばいですよの返事。逃げなきゃ、逃げましょ。バタンと車に乗り込み猛スピードで発進。

というかボクは関係無い、降ろしてくれないか。いやいや、もう先輩とボクは一心同体ですよ。いや、でも二手に分かれた方が良いよ。わかりました。という会話を交わしボクは住宅街で降ろしてもらった。ここなら隠れる所もたくさんある。それにしても人っ子一人いない、これなら他人の家に入っても大丈夫だろう、と、ボクは一番近くにあった一軒家の塀に隠れていた。隙間から周りを伺っていると、あいつがやってきた。相変わらずフラフラとナイフを持って歩いている。怖い、怖い。
段々とこちらへ近づいてくる異常者に恐怖しながら、見つからない方法を必死で考える。と、そこへさっき分かれた後輩が恐る恐る歩いてくるのが見えた。後輩はボクにも異常者にも気付いていない。危ない。どうしよう。どうにもならない。寧ろ逃げるチャンスだ。とソロリソロリ忍び足でボクは異常者から遠ざかる。すると、

ギャッ!

悲鳴が。思わずウッと声を出してしまう。塀の隙間から見ると異常者の足元に後輩が倒れていた。異常者に気付かず出くわしてしまったのだろう。
っと。あれ?異常者がいない。どこへ行った。

っ……。

気配を感じてゆっくり上を見上げる。すると塀の上からボクを見下ろすニヤニヤした顔が。