目が覚めるとボクの目の前には女の顔があった。彼女は毛布にくるまって眠っていたようで顔が半分隠れている。えっと、この人は確か…、○○さん…、だよな。とりあえず「おはよ」と声を掛けた。○○さんとはゼミの知り合いで特に親しい間柄ではないので、ボクはこれは何かゼミの集まりなんだろうと勝手に理解した。窓の外はすっかり明るくなっていて、窓は閉まっているはずなのにひんやりとした空気が流れ込んできている。見える範囲で周りを見渡すとソファーとテーブルがあって、ボクはその間の窮屈なスペースで寝ていた。カーペットは敷いてあるが、つまり床なので相当寒い。○○さんはちゃっかりソファーで毛布にくるまっている。ズルいなあと思いながら毛布を分けてもらえるように頼んだ。○○さんは「いいよ」と自分のくるまっていた毛布を貸してくれた。すると半分隠れていた彼女の顔がすっかり見えるようになり、その瞬間に気が付いた。彼女は××さんだ。まあいいや、彼女を○○さんと呼んではいなかったし、と開き直り、ボクはまた眠ることにした。


 まだ顔と名前が一致しないだなんて、ゼミのみんなには言えない夢でした。